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トプコン ユニ(TOPCON UNI)

TOPCON UNI

♯54103067/ペンタ部分が平らなのはトプコンの証

 

 

 トプコンユニとは、東京光学(現:トプコン)が1964年に発売した、レンズシャッター形式のレンズ交換式一眼レフカメラです。ちなみに本機は世界初のTTL-AE一眼レフカメラであり、AEはシャッター速度優先方式になります。
 元々は友人から購入の相談を受けていたカメラなんですが、結局ミイラ取りがミイラになってしまい、自分でご購入の運びになってしまいました。
 という事で、これからこのカメラをお求めになる方、或いは興味がある方のために、ここで簡単に紹介してみたいと思います。

 

 


 まず正面写真。ボディのレンズ鏡胴部左脇に見えるレバーはシャッターボタン。このレバーを垂直に押し下げることでシャッタレリーズとなります。初めはちょっと戸惑いますが、慣れるとどうして世界中のカメラのシャッターがこの形式にならないのかと疑問に思ってしまうくらい使いやすいです。レリーズ時に一本の指に力が集中しないため、手ブレも起きにくくなります。
 上部軍艦部左側にあるレバーはフィルム巻き上げレバー。分割巻き上げが出来ない上に、巻き上げ角が270度程度にもなるため、ちょっと使いにくいです。軍艦部右側がフィルム巻き戻しクランク。中央ペンタ部の右下にあるソケットはシンクロ接点です。

 背面は至ってシンプル。中央にファインダ、その上ペンタ部にはアクセサリーシュー。ファインダ左右には、シリアル番号と「TOKYO KOUGAKU」の刻印があります。


 上から見た写真です。重複しますが、ボディ左がフィルム巻き上げクランク。その脇に見えるのがフィルムカウンタ。カウンタの右下にちらっと見える印がフィルム幕面位置を示すマーク。ペンタ部にあるのがアクセサリーシューです。シンクロ接点などは付いていません。ボディ右側がフィルム巻き上げレバー。
 レンズ鏡胴部がちょっと見にくくなってしまってるのですが、前からピントリング。銀色のリングすぐ手前が絞りリング。このレンズでは解放がF:2で最少絞りがF:22、一番左側に回すとAE位置になります。その手前ペンタ部に隠れてしまっているのですが、シャッター速度設定リングがあります。設定可能速度はBと1秒〜1/500秒。本機はシャッター優先AEになるので、ここは最もよく使うリングになります。
 鏡胴部右隣にある銀色の出っ張りはシャッターボタン。垂直に押し下げてレリーズです。

 底面はボディ左から巻き上げロック解除ボタン。中央に三脚のネジ穴が開いている出っ張りはカメラを置いたときに前傾しないようにするスタンド。変なところで気が利いています。次右隣は電池室。電池はセミクラシックカメラでお馴染みのMR-9です。現在ではアダプタを介して使うことになります。その左が裏蓋開閉ボタン。このボタンがちょっと変わっていて、ボタンを指で押しながら右手前にスライドさせると裏蓋がパカッと開きます。誤動作を起こしにくい上に使いやすいボタンです。


 横から見た写真です。まず鏡胴根元左側下に見えるレバーがシンクロのMとXとセルフタイマーの切替。更に鏡胴部下にある赤い文字は、フィルム感度設定。その前にある白いリングにフィルム感度が書いてあり、赤く書いてある部分を現在装着しているレンズの解放値に合わせます。この値を読む限りだと、UVトプコールレンズってF:2までしかないのでしょうか?…。

 右側を見ると、レンズ鏡胴部にシャッター速度設定ダイヤルが見えます。他は特に操作部はありません。


 次は装着されているUVトプコール53mm F:2を外してみた状態。こうしてみると、まさにレンズシャッターカメラといった趣。マウント部は、ボディ側が外爪方式で、レンズをはめ込みのリングがかなりキツ目。先程も解説しましたが、レンズマウント右下にはシンクロ切替レバーがあります。


 レンズシャッター機という事で、本機には当然ながらシャッター幕が存在しません。なので裏蓋を開けるといきなりミラーがあります。ある意味フィルム装填時にシャッター幕を指で突つつく事がないので、一般的なフォーカルプレーン一眼レフよりも安全性は高いかも…。

 次の写真はミラーアップをしてみたところ。本機にはミラーアップレバーは存在しないので、バルブ位置でシャッターを切っています。
 良く見ると右側がやや垂れ下がっていますが、まあ中古だし、安かったし、仕方ないよね。実写ではコマの上にやや影が映るのですが、プリントする分には影響はないみたいです。


 次はファインダ画面。ちょっと見にくいのですが、左側に絞り値が書いてあって、シャッター速度を変化させると、それに応じて針が動いて現在の絞り値を教えてくれます。基本的に上の赤い部分と下の黒い部分に針が入らなければOK。マニュアル撮影時は、設定した絞り値の上に針が来るようにシャッター速度を調整することになります。

 次の写真はシャッター奥にある、トプコンお得意のミラーメーター。ミラーに刻まれた文様の上を通った光を背面のCdsが感知するという仕組み。ただミラー面に文様が刻まれているせいか、本機のファインダはやや暗い印象があります。


 次はUVトプコール53mm F:2の正面写真。中古の割にはなかなか奇麗なレンズです。コーティングが黄色く見えます。
 次は裏面写真。マウント部はキャノンのFDマウントにやや似ているかも…。左下に見えるレバーはレンズを外すときのロック解除レバーです。そのレバーの内側には絞り値をカメラと連動させるためのレバーがあるのですが、トプコンUVマウントは、ここの部分の構造がかなり複雑でスグに壊れるそうです。中古レンズをお求めの際は十分注意しましょう。




 まずは作例三枚。使用フィルムはフジ・センシア100。撮影は全てカメラ任せのAE撮影です。ポジフィルムだと、仕上がりは一段から半段程度オーバー目な気がするのですが、まあ合格点ではないでしょうか。この傾向が続くようなら、フィルム感度をやや多めに合わせれば解決できます。
 一枚目は、神奈川県三浦半島城ヶ崎に集まったMGF。最近はF乗りのオフって少なくなったなぁ…。
 二枚目は湘南国際村から撮影した伊豆半島。オリジナルのポジは、露出がバッチリあって色も鮮やかです。
 三枚目は、黒のHONDA-S2000フェンダー部分。このUVトプコールレンズ、手前側と向こう側のボケ味が大分違うような感じがします。露出はカメラが黒いボディを拾ったせいか、ややオーバーです。



 次はネガフィルムでの写真。フィルムは両方ともフジ・スペリア100。ただし下二枚の写真は、印画紙がコダックロイヤルペーパーで焼かれています。
 左上一枚目の写真は、1月2日に茨城県益子市内で発生した吹雪を抜け出したときの写真。こうまで派手にゴーストが出ると、逆に何やら嬉しくなってきますね。
 次の写真は同じ場所で撮ったMGF。露出決定が難しそうな画面でしたが、綺麗に写っています。色調はやや黄色がかかったような感じで、何処となく懐かしい感じ。
 三枚目は家の近所にある八幡神社境内の狛犬。シャッター速度を1/500秒にして撮影しました。このレンズが面白いのはボケ具合で、二重線にもならず、かといって円形にもならず、非常に独特なボケ具合。
 四枚目は、東京都板橋区にあるといわれる噂の“トプコン通り”。やはりトプコンを入手したからには、一度は訪れなければでしょう(^^;;

 現在ではカメラの生産を止めてしまっているトプコンですが、当時はその先進的な機能と頑丈な作りで、通のカメラマニアを魅了しました。現在は知名度が低いせいか、最高機種のトプコンスーパーDMでも、5万円もしない価格で中古市場で流通していますし、今回紹介したトプコンUNIの場合は3万円前後で入手が可能です。
 安いながらもしっかりとした商品を作り続けていたトプコンのカメラ達。キャノンやニコンばかりでなく、たまにはこういったマイナーメーカーのカメラを手にしてみるのも面白いのではないでしょうか?。

 

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